漢字の空書きをする指の動きがそろってくると、運動会のダンス顔負けの「集団の美」を醸し出す(?)ことがある。これを更に進化(?)させたものが、「シンクロナイズド空書き」である。あのシンクロナイズドスイミングのように、全員の動きをぴったりそろえて空書きをするのである。サークルで教えてもらった。
授業参観の初めにこれをやれば、大受けになるし、教室の雰囲気も和む。国語の研究授業の初めにやれば、漢字の空書きという学習方法をアピールできるし、子ども達の緊張をほぐすという効果も得られる。
以下に、その練習方法を示す。
(1)一グループに一つずつの漢字を割り当てる
1班は「環」、2班は「境」、3班は「問」、4班は「題」、5班は「解」、6班は「決」というように割り当てる。
環境の授業を公開した時は、前述のような6つの漢字のシンクロナイズド空書きを、授業の最初に発表させた。
(2)割り当てられた漢字の空書きが、そろってできるよう練習させる
5分程、練習時間を取り、班毎に練習させる。
練習に入る前に、5分後には、そろって書けるかどうかテストすることを予告しておく。
(3)指の動きがそろっているか個別評定をする
1班から順に、黒板の前で「発表」させ、評価していく。○
○惜しい!最後の一画だけ、そろいませんでした。8点。
○微妙に手の動きの速さが、ずれています。6点。
○全員がぴったりそろっています。お見事!10点。
どの班も「ぴったりそろって」できるようになるまで個別評定を繰り返す。ぴったりそろうと、子ども達がオリンピック選手のように見えてくるから不思議である。
(4)班毎に、「△△△のような動き」で空書きができるよう、練習させる
「1班は、空手のような手の動かし方で」とか、「2班は、指揮者のような手の動かし方で」とか「3班は、ロボットのような動かし方で」とか、いろいろな動きのバリエーションを考えさせ、練習させる。
練習時間を5分程取り、5分後にはテストすることを予告する。
(5)全員がそろっていて、なおかつ「△△△のような動き」になっているか個別評定をする
自信のない班から順に、発表させ、個別評定していった。
○いいなあ!ロボットになりきってる。動きもそろっているし、10点!
○「指揮のような動き」なんて、よく考えついたね。優雅でいいよ!10点。
○ダイナミックだなあ!すっごくいい!12点!
どの班も10点以上を獲得したら、個別評定終了。
「一人で空書きができる」のと「みんなで動きをそろえて空書きができる」のでは、どちらがその漢字の定着率が高いだろうか。もちろん後者である。
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