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難解な文章をすっきりと読み取らせるための発問群    
「一秒が一年をこわす」

浅川 清(TOSS相模原)

 「一秒が一年をこわす」(光村・五年)は、抽象的な言葉や、もってまわった言い回しが多く、子ども達にとっては、意味のつかみにくい文章である。  説明文というより論説文に近く、問いと答えという構造にもなっていない。

 そこで、「とどのつまり、一秒が一年をこわすってどういうことなの?」という点だけを明らかにする読みを試みた。 

1.音読・・・範読の後、新幹線読み・二人の交互読み・男女交互読みなどを繰り返し、スラスラ読めるようにする。
 
2.意味調べ・・・調べたい言葉・予想した意味・調べた意味の3点セットでノートに書かせる。

3.例を挙げさせる発問を次々に出し、指名なし発表で答えさせる。

  @「この二百年ほどの科学技術の発達」とは何ですか。知っている例を挙げなさい。

  A「たいへん便利な生活」の例を挙げなさい。

  B「自動化された」ものの例をあげなさい。

  C「テレビで見られる、世界各地で今起こっている出来事」の例を挙げなさい。

  D「発達した交通機関」の例を挙げなさい。

4.辞書で意味を確かめ、例を挙げさせる。

 @「資源」の意味が言える人、起立。→(意味の発表)→例を挙げなさい。

 A「エネルギー」 の意味が言える人、起立。→(意味の発表)→例を挙げなさい。
 
 B「消費」 の意味が言える人、起立。→(意味の発表)→例を挙げなさい。         
  
 C「廃棄物」の意味が言える人、起立。→(意味の発表)→例を挙げなさい。   

5.簡単な問いを次々に出し、答えさせる。

  @人類が地球上に誕生したのは、どのくらい前のことですか。

  A人類がすばらしい発展をとげてきたのは、なぜですか。

  B切り開かれた森林の木は何に使われますか。

  C木が切られたあとの土地は何に使われますか。

  D森林がなくなると、どんなことが起きやすくなりますか。

  E野生の生物たちがほろびようとしている原因は何ですか。

6.文型を示し、短文を作らせる。 

  @○○○が□□□に大きなえいきょうをおよぼしつつある。

  A○○○は、□□□をそこなう原因となっている。

7.いつから、いつまでの時間かを問い、書かせる。 

  @四十六億年というのは、いつからいつまでの時間ですか。                
    ノートに書いて見せに来なさい。

  A四億年というのは、いつからいつまでの時間ですか。                  
   ノートに書いて見せに来なさい。

  B二百年というのは、いつからいつまでの時間ですか。                  
   ノートに書いて見せに来なさい。

  C三百五十万年から四百万年というのは、いつからいつまでの時間ですか。         
   ノートに書いて見せに来なさい。 

8.それぞれの時間の長さを、たとえた時間の長さに対応させる。

四十六億年・・・・・・・・・・・・・・・・地球が誕生してから今までの時間・・・・・・・・・・・・・・・1年
四億年・・・・・・・・・・・・・・・・・生命が陸上にも広がるようになってから今までの時間・・1ヶ月
三百五十万年から四百万年・・・人類が誕生してから今までの時間・・・・・・・・・・・・・・・7時間
二百年・・・・・・・・・・・・・・・・・人類が環境をこわし始めてから今までの時間・・・・・・・・・1秒

9.題名を読ませる。

10.「○○が□□をこわす」の○○と□□に、漢字2文字を当てはめさせる。

・人類が地球をこわす   ・一瞬が永遠をこわす   ・文明が自然をこわす
・人工が自然をこわす   ・便利が地球をこわす   ・現在が未来をこわす
・人類が人類をこわす 
   

11.B〜Fの段落の内容を「○○○が□□□をこわす」という形でまとめさせる。

Bたくさんの資源やエネルギーを使うことが、地球の環境をこわす。
C森林を切り開くことが、土地をこわす。
D森林やひがたの開発が、野生の生物をこわす。
E増えた廃棄物が、水や空気をこわす。
F二酸化炭素の増加が地球の気温をこわす。

 
四十六億年
四億年
三百五十万年から四百万年
二百年

 
○○が□□をこわす

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