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小さなことにくよくよするな
元気が出る(?)詩の授業

浅川 清(TOSS相模原)

小さな私が
                      鳥居みな子

小さな私が

小さな小さな石ころにつまずいて泣いている

大きな大きな道のはじっこ
 

 上の詩を6年生に授業した。私のお気に入りの詩である。

 昔から、心くじけそうな時は、いつもこの詩を心の中で唱えてきた。

 たった三行の詩の中から

「お前さんが今抱えている悩みなんて、小さい小さい! 大きな大きな世界に目を向けてごらんよ。

くよくよしてたのが、ばからしくなるから!」

という励ましが聞こえてくるからだ。

 指示1   声に出して3回読んだらすわりなさい。分からないところはホニャララでいいですよ。
       全員起立。

 指示2  すわった人は、どんな読み方がいちばんいいか考えながら読んでいなさい。

 全員すわったら、列指名で読ませる。  

 指示3  これがいちばんいいと思う読み方で読みなさい。

 ひとりひとりの読み方に短いコメントを加えていく。

「声の大きさが2回変わりましたね。」

「『小さな小さな』というところをささやくように読みましたね。」

「『大きな大きな』というところを強調しましたね。」

 指示4  今の人達とは違う読み方がしたい人、起立。窓側からどうぞ。  

「2行目の後に少し間をあけましたね。」 

「1回目の『大きな』より2回目の『大きな』を、大きく読みましたね。」

「『はじっこ』を、そうっと読みましたね。」

 指示5  
この詩を読んで分かったこと・気づいたこと・思ったことを、できるだけたくさん箇条書きにしなさい。ひとつ書けたら見せにいらっしゃい。      

 3分後、指名なしで発表させた。

○小さな女の子が泣いているのか。

○石ころにつまずいてけがをしたのか。

○「石ころ」は何か別のものを表しているのか。

○「道」は人生を表しているのだろうか。

 発問1  話者はだれですか。

○私

 発問2  いちばん小さなものは何ですか。

○石ころ  

 発問3  いちばん大きなものは何ですか。

○道                                           

 発問4  一行目の「小さな私」を絵にかいてみなさい。

 発問5  二行目の「小さな小さな石ころ」の絵をかき加えなさい。

 発問6  三行目の「大きな大きな道」の絵をかき加えなさい。

 発問7  話者の目はどこにありますか。話者の目をかき加えなさい。かけたら見せにいらっしゃい。

  異なる考えは全て板書させる。                                           

 発問8  「これだけはおかしい」というのはどれですか。

      ノートに「おかしい」というものの番号と、そう考えたわけを書きなさい。

○Aは、おかしい。石ころにつまずいたかどうか分からないから。

○@は、おかしい。「私」に近すぎて「道」が大きいことが分からない。

討論の後、話者の目は、「大きな大きな道」が見渡せるところにあるはずだということを確認した。
 
 発問8  「泣いている私」と「話者である私」のちがいは何ですか。

      (書き方を板書して)ノートにこのように書きなさい。

                       

        泣いている私                 話者である私
                       
小さな小さな石ころしか見えていない。    
大きな大きな道も、その道のはじっこで泣いてい る小さな私も見ている。

ノートを持って来させて点をつける。いい点をつける時は大きな声で言う。

「いい線いってる。6点!」

「よく気がついた!8点!」

「すごい!天才的だ!9点!」

6点以上の答は板書させる。最高得点を取った答は全員に写させる。
 
 発問10  「石ころ」とは何ですか? 「道」とは何ですか?  ノートに書きなさい。

3分後、指名なしで発表させて終わる。

○「石ころ」は、けんかした友達。「道」は学校。

○「石ころ」は失敗。「道」は世の中。

○「石ころ」は困難。「道」は人生。

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