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我がクラスの実力判定 同一教材を追試する 
「たった一文字の違い」を授業する

浅川 清(TOSS相模原)

 


 9月の半ば、大森修氏の「米洗う」の授業を追試した。6年生のクラスである。

@米洗う前へほたるが二つ三つ
A米洗う前をほたるが二つ三つ
B米洗う前にほたるが二つ三つ

 上記の3つの句の違いを発見させる授業である。

@は「到達」及び「出現」を、
Aは「通過」及び「浮遊」を、
Bは「到達」及び「出現」及び「存在」及び「以前」を、


表していると考えた。すなわち


@の「ほたる」は、「前へ来た」「前へ現れた」、
Aの「ほたる」は、「前を通過した」「前を浮遊した」、
Bの「ほたる」は、「前に来た」「前に現れた」「前に居る」「洗う以前に居た」、

という意味に分かれると捉え、授業した。

 一度に3つを比較させるのは無茶だ。2つずつ比較させなければならない。では、どれとどれの比較から始めるか?@とAから始めた。@とAの比較で空間的意味の違いを扱い、その後、@とBの比較で時間的意味の違いを扱おうと考えた。

1.@とAの違いを発見させる 

 まず、日付けとタイトルをノートに書かせた。タイトルは「たった一文字の違いで」にした。「今から何をするのか」が分かっていた方が、学習内容を理解しやすいと考えたからだ。次に、@の句を板書し、視写させた。


発問1 
この句に書いてあることを絵にしなさい。ほたるがどう動いたのか、矢印の線で書きなさい。書けたら見せにいらっしゃい。


「米を洗う容器」と「米を洗っている人物」の書き方は、見本を示し指定した。ほたるの動きを表す矢印も例示した。



上記の3タイプの絵が出てきた。板書させ、「絶対におかしい」ものはないか、聞いていった。

同様にAの句を視写させ、絵を描かせた。今度は、次のような絵が出てきた。


発問2  
@の句とAの句の違いを、ズバリ一言で書きなさい。「@は〜、Aは〜」のように書きなさい。書けたら見せにいらっしゃい。

ノートを持って来た子達に、板書させ、説明させた。

★@だと、ほたるは「前」にだけいるが、Aは、いろいろなところにいる。
★@は、人の前に来るが、Aは、人の前を飛んでいる。
★@は、人の前に向かって飛んで来るが、Aは、人の前を横切って飛んでいる。
★@は、ほたるが飛ぶ方向がひとつだけど、Aはいろいろな方向に飛んでいる。

2.@とBの違いを発見させる

Bの句を板書し、視写させた。   


発問3  
@の句とBの句の違いを、ズバリ一言で書きなさい。書けたら見せにいらっしゃい。

★@は、前へ「動いて」いるが、Bだと前に「止まって」いてもいい。
★@だと「前へ来た」という感じになるが、Bだと「前に居る」という感じになる。
★@は、場所のことを言っていて、Bは、時間のことを言っている。
★@は、ほたるの動き方で、Bは、ほたるの位置や、何時から居るかを表している。

子ども達は、書いた絵を手がかりに、3つの句の違いを発見していった。

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