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自分で学び続ける力をTOSSサークルで得た私のドラマ
うかうかしてられない!挑戦しなきゃ!

浅川 清(TOSS相模原)


1.うかうかしてられない!

 サークルは、人を成長させる。目を瞠るほど成長させる。

(1)授業がうまくなった! 

 サークルに新しい人が入って来る。模擬授業をしてもらう。当然ながらボロボロだ。

 初めての模擬授業であっても、決して甘くはない指摘がとぶ。「少しはいいところを認められるかも」という密かな期待は裏切られ、おろおろと立ちすくむ。

 2回目になると、斬られても、おろおろはしなくなる。3回目になると、かなり指摘に耳を傾ける余裕が出てくる。4回目、5回目と挑戦を続けるうちに、変化が出てくる。  それは「かすかな」変化ではない。「明らかな」変化だ。暗い授業が明るくなり、重たい授業がテンポのいい授業になり、ごてごてした授業がすっきりした授業に変貌するのだ。

 「いつの間に!?」と驚く。「私もうかうかしてられない!」と刺激を受ける。

(2)レポートがよくなった!

 レポートも激変する。初めてのレポートは、「分かりにくい・固い・観念的」という三拍子がそろっている。だから「読み上げた」だけでは、何も伝わらない。ここでも厳しい指摘がとぶ。次からは、「読み上げた」だけで伝わるレポートを意識して書いてくるようになる。そして気がつくと・・・。「いいじゃん!」と多くのサークル仲間からほめられるレポートも書けるようになっている。 

(3)挑戦する人は伸びる!

 サークル内だけでなく、いろいろな場所で模擬授業に挑戦する仲間がいる。拡大サークルで、神奈川ML会で、全国的なセミナーで・・・と、挑戦の場が広がっていく。進んで挑戦する人には、はっきりと力がついてくるのが分かる。「負けられない!」と思わせられる。

2.挑戦しなきゃ!

 急成長する仲間の姿に後押しされて、私も様々な「挑戦の場」に出かけた。

 初めは神奈川ML会。参加者は30人くらいから始まった。次に100人くらいのセミナーでの模擬授業への挑戦。400人、1000人という規模のセミナーでの模擬授業にも挑戦した。サークルの仲間が検討してくれるから、サークルの仲間が応援してくれるから、思い切って大きなセミナーにも出かけていけた。

 挑戦する度に、つかめるものがある。得るものがある。だから、やめられない。

3.セミナー模擬授業で得たもの

(1)ぎりぎりの自分と向き合う緊張感

 模擬授業の日が近づいてきた時の緊張感、当日になって出番が近づいてきた時の緊張感、授業を始めてからの緊張感、どれも「好きか嫌いか」と問われれば「好き」だ。「こわい」

くせに「好き」だ。必死になって「ぎりぎりの力」を出そうとする自分と向き合えるから。 最大限に緊張した中で、「もっといい発問はないか?」「もっといい方法はないか?」と、自分が自分に問い詰めるのだ。セミナー模擬授業に挑戦しなければ、考えつかなかったであろう発問や組み立てに辿りつけたことは、少なからずある。

(2)自分に足りないものの自覚

 この点が、いちばん学べる。待ったなしで授業が進んでいく中で、「困った!」「しまった!」「こうすればよかった!」がいくつも出てくる。それが自分の弱いところなのだ。自分では気づけなかったところも、講師の先生に指摘してもらえる。

 @間(マ)がない

 広島で「さる・るるる」の授業をした。与えられた時間は4分間。前夜、何回も時間を計りながらパソコン画面を操作し練習した。言葉を削る作業をした。当日、パソコン操作は事務局の方にお願いし、400人の参加者と向き合った。ひたすら4分間に納めることを考えて授業を進めた。終わってから、思い切って向山先生のところに行った。「微妙な間(マ)ですね」という言葉をいただいた。ハッとした。時間内に終えることばかりに神経がいってしまい、「さる・るるる」の授業の楽しさを生む「決め手」だったはずの間(マ)を忘れていたのだ。「そうか、間(マ)か!」・・・心に刻むことができた。

 A子ども(役の人)を見ていない

 子ども役の人が30人くらいの会場であれば、全体に視線を配れる。全体が見えているから、上滑りでない授業ができる。これが100人、200人になると、私の場合、途端に余裕がなくなる。全体が見えなくなるからだ。100人いようが200人いようが授業を進めながら一人一人とアイコンタクトが取れるという力が、私にはない。一人一人の姿が見えていないから、とっさの対応ができなくなる。授業が上滑りになってしまう。

 では、子ども(役の人)が少なければ大丈夫かといえば、それも違う。1000人以上の参加者が見守るサマーセミナーのステージ上での模擬授業では、たった20人の子ども(役の人)さえ、見ることができなかった。1000人の参加者の目に飲まれてしまったのである。飲まれてしまったということは、目の前にいる子ども(役の人)との授業に集中できなかったということである。修行不足という他ない。 

 B選択肢が少ない  

 授業は瞬間的選択の連続だという。瞬間、瞬間で選択していくためには、たくさんの選択肢が要る。私の場合、これも少ない。だから、模擬授業の途中で「困った!」「ちょっと違うな」が生じる。「この場合はこれしかない!」というものが見つからない時がある。日々の実践を通して増やしていくしかない。

 C提案性がない

 女教師模擬授業大会で向山先生から指摘されたのは「提案性がない」という点だ。思いつきを、ちょっとふくらませた程度の教材研究でお茶を濁していたのでは、提案性のある授業は生み出せない。

4.挑戦したからこそ「痛感」できる

以上のことを「痛感」できたのは、セミナー模擬授業に挑戦したからこそだ。安全地帯にいたら得られない「痛感」であり、越えるべきハードルの高さの「実感」だった。

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