学級経営大騒ぎ・６年・修学旅行編　　
夜の集いをＴＯＳＳ流で盛り上げる

浅川　清（TOSS相模原）

１．教師が仕切る

　リズムとテンポのある司会進行が、子どもたちの手で、できるようにするだけの時間がない。労力もかけられない。そんな時はどうするか？　教師が仕切る。

２．リズム太鼓で集中させる　

　１００人以上の子どもたち、それもかなりのハイテンションになった子どもたちが集まれば、騒然とした状態になって当然だ。

　そこで、リズム太鼓を使う。「トーントーン・トントントントン・トンッ」とたたく。最後の「トンッ」で、ほとんど静かになった。

３．形容詞で「始めの言葉」

　当たり前の「始めの言葉」では、つまらない。爆笑を誘う「始めの言葉」なら、これだ。

（１）下記のような地の文を模造紙に書いておく。

（　）日光の（　）夜がやってきました。（　）ホテルの（　）会場に（　）上溝南小の（　）みなさんが集まりました。（　）お風呂に入ってさっぱりし、（　）夕食で元気いっぱいのみなさんです。では、これから（　）先生方も交え、（　）夜の集いを始めます。

（２）八つ切り画用紙を縦半分に切った短冊を１０枚ほど用意する。

（３）その場で形容詞を募集する。

　「固い」とか「あつかましい」とか様子を表す言葉で、おしまいが「い」または「しい」で終わる言葉を言って下さい。

（４）募集した形容詞を、その場で短冊に書いていく。

　「美しい」とか「優しい」とか、プラスのイメージをもつ形容詞は保留にし、「暑苦しい」とか「痛々しい」とか「ずうずうしい」など、マイナスのイメージを持つ形容詞を採用した。

（５）前もって書いておいた地の文に、形容詞を当てはめて読ませた。 次のような「始めの言葉」が出来上がり、爆笑の渦となった。

（苦しい）日光の（おぞましい）夜がやってきました。（恥ずかしい）ホテルの（重苦しい）会場に（ばかばかしい）上溝南小の（ずうずうしい）みなさんが集まりました。

（けたたましい）お風呂に入ってさっぱりし、（暗い）夕食で元気いっぱいのみなさんです。では、これから（弱々しい）先生方も交え、（厳しい）夜の集いを始めます。

４．○×ゲームで「先生の素顔紹介」

　引率・付き添いの先生に関わる問題を作っておく。一人一人の先生から、趣味や特技や子どもの頃のニックネームなどを聞き出し、「○か？×か？」という形の問題にした。

山田先生は、子どもの頃、ターコと呼ばれていた。○か？×か？

　7問作り、５問目を復活問題にし、どの子も最後まで楽しめるようにした。７問が終わる頃には、先生たちの素顔がちょっぴり見えてくる。（と、いいな。）

５．チャレラン

（１）紙ちぎり　 （２）片足立ち　　（３）傘立て

　上記の順に行った。見た目に地味な（？）種目から、派手な種目へという順にした。

シンプルで、結果がそのまま目に見えるものばかりなので、大いに盛り上がった。

６．ひらひらペーパー

　高いところから、ひらひらと落ちてくる紙を、箸でハッシとつかまえる競技だ。

挑戦者が６人いたので、「さあ、この中で何人、成功するか？先生の予想は０人！」と挑発した。必死で手を伸ばして取ろうとする子。無情にも、その手をすり抜けて床に落下する紙。見ている方も手に汗握る熱戦となった。

７．ひよこ相撲

　大広間の床をぴょんぴょん跳びながら、隙をみて相手に体当たりする。体勢がくずれると、方向転換しながらバランスを取る。ひよこ相撲というより、カエル相撲の様相を呈していたが、表情は真剣そのもの。応援の声もヒートアップしていった。

８．また投げ

　これのために、小さめで柔らかいドッジボールをひとつ、持参していた。いちばんたくさんの子が参加したがった種目だ。クラス毎に応援団がつき、ボールの行方に一喜一憂した。大広間全体が熱気を持ち、全員の目がボールを追った。

９．寸劇「水戸黄門」

　いつのまに練習したのか、見事な舞台度胸とチームワークで、「水戸黄門」の名場面・珍場面を演じてくれたクラスがあった。熱気が笑いに変わった。

１０．ダンス

　私のクラスの女の子たちが、軽快なステップのダンスを披露した。修学旅行直前に、急遽、練習したものだ。２曲目は、クラス全員を巻き込んでのダンスとなった。

　これが、呼び水となって、他のクラスの男子が二人、「やっぱり、ソーラン節を踊る」といって出てきた。これが、超うまかった。感動するほどに、うまかった。自然に手拍子が起こり、踊っている子たちを中心に、そこにいる全員の気持ちがひとつに溶け合うのを感じた。踊りが終わったときの拍手の大きさといったら！

１１．三本締め

　余計な話を加えず、すぐに三本締めに移った。１本ずつ、たたく指を増やしていく、ＴＯＳＳ流三本締めだ。最後に大きな音が大広間に響き渡った瞬間の爽快さったら！